ベトナムで華々しくスタートをきるためには、現地の人材を雇う必要があります。ベトナムで採用するということになると、有能な外国人と現地の人を雇うというこの両方が考えられます。この記事ではその両方のケースについて詳しく説明します。

ベトナムでの採用:現地の人材を採用する

毎年150万人の若者が労働市場に参入しているため、現地の労働市場の最大の強みは、勤勉で回復力のある従業員の数になります。

一方、雇用主である多くの外国人企業が現地の人材に要求する技術や言語スキルが、企業側の希望に達していないため、その二者でのギャップがあります。

中学卒業後の進路(高校、大学や専門学校など)について

ベトナムの中学卒業後の進学率は急速に上がってきており、若者の約30%が大学に進学しています。

ただ、どの大学もアジアのトップ350の学校に入っていないため(インドネシアは4校、タイには1校)、他のアジア諸国に比べて教育の質は十分だとは決して言えません。専門家によると、主な問題は、理論のみに焦点を合わせた教育方針であること、また、ビジネス部門から切り離されていること、そして新卒採用の教師の不足であると言われています。その結果、2017年には学士号を取得した約20万人の最近の卒業生が失業しました。さらに、ベトナムの失業率は3.18%(2017年)と比較的低い数値になっています。

レベルの高い公立大学といえば、Vietnam National University (ハノイ校とホーチミン校があります)、Hanoi University of Science & Technology、Can Tho Universityの3校が挙げられます。外国人投資家は、Raffles University(シンガポール)、RMIT(オーストラリア)などの外国大学の卒業生や、優れた英語スキルとより実践的な教育を備えた卒業生を採用したいと考えているはずです。

ベトナムの大学は大きく分けてベトナムの首相直属の国家大学、教育・訓練省に属する国立大学(地方総合大学や専門大学を含む)、私立大学があります。

ベトナムの大学ランキング

英語

ベトナムの小学校での義務教育にもかかわらず、ベトナムの人口のごく一部の人しか実際に英語を話すことができません。さらに、ベトナム語の発音の影響で、英語を話してもとても訛りの強い英語します。

給料

ベトナムの給与レベルは、生産においてベトナムという国を面白い国にしている理由であり、その給与のレベルが理由で、アウトソーシングしている業務もあります。 最低賃金は地域によって異なり、125米ドルから180米ドルの範囲です。

RegionMinimum wage (VND)Minimum wage (USD)
1 – Hanoi and HCMC4.18 million180
2 – Da Nang, Can Tho, Hai Phong and  rural areas of Hanoi and HCMC3.71 million160
3 Less urbanized locations3.25 million140
4 Mostly rural areas2.92 million126

専門的なビジネスマンの給与はかなり高くなりますが、それでも中国やシンガポールの給与とは非常に競争力があります。

Accountant with 2yrs xpHCMC VietnamShanghaiChinaSingapore
Monthly Wage (SGD)70020004000

MNOだけでなく、多くの国際企業が資格のある英語を話す人材を雇用したいと考えており、現在雇用している人材をそのまま維持するために市場価格よりも高い給与を支払うことになるので、外国投資の流入は価格を押し上げています。

ベトナムで採用:外国人の雇用

特定のスキルや技術的な専門知識を持つ人材を採用したいと考えている場合、外国人を雇用したいと思うかもしれません。外国人の雇用に関しては、特に短期(最大90日間のプロジェクト)雇用の場合、ベトナムでは他の国よりも比較的簡単に外国人雇用ができます。

短期間雇用

外国人スタッフが3か月未満で働くことになっている場合、ベトナムではビジネスビザだけで大丈夫です。ビジネスビザの申請には、保証人が必要です。雇用主または代理店などの会社が発行します。

長期間雇用

3ヶ月以上の雇用の場合、外国人スタッフは労働許可証を取得する必要があります。雇用主は外国人を雇う理由が必要になってきます。その理由としてよく使われているのはベトナムで取得できないスキルがある、特定の外国語の知識がある、あるいは国際的な経験があるなどです。会社は、外国人を雇う30日前に労働証明書とともにこの理由を提示する必要があります。また雇用してから、会社は年2回の労働使用報告書と年4回の外国人労働者報告書を提出しなければいけません。

就労許可申請書

就労許可申請書を提出するためには、以下の書類が必要です。

・診断書

・職歴証明書(職歴は雇用主に証明してもらう必要があります)

・認証を受けたパスポートのコピー

・6か月以上前の犯罪経歴証明書

ワークパーミット(労働許可)を取得できる条件
– ①〜③のいずれかを満たすこと
①管理職:管理職(CEO/エグゼクティブ)としての職務経験 
②専門家:ベトナム国内で従事する職務に関する分野での大学の学士号以上または学士と同等とみなされる学位を取得しており、3年以上の同分野の職務経験があること。または、国外の機関、組織または企業により専門家と認定された証明書を持つ者(3条3項)。
③技術者:その技術分野またはその他の専攻で1年以上訓練を行い、その専攻分野で3年以上の勤務経歴があること(3条5項)。

ベトナムの労働許可証(ワークパーミット)と必要書類

ベトナムでの一時的な住まい

就労許可証だけでは居住許可証にはなりません。住許可のためには、追加のビザまたは居住許可証が必要です。 そのため、外国人スタッフは、就労許可証を取得した後、就労許可証と同じ効力を持つ一時在留カードを申請する必要があります。その発行には約1週間かかります。

外国人の運転免許証

外国人は、多くの場合、現地の道や独自の交通ルールがある中、運転の上手い現地のタクシーを利用することがあります。ベトナムで車を運転したり、バイクに乗る場合は、地元の運転免許証を取得することもできます。 ベトナムに住所のある人だけが現地の運転免許証を申請することができます。 したがって、短期居住カード(TCR)を受け取った後、一時居住カードの有効期間が終了するまで有効な運転免許証の資格があります。

外国人スタッフのための税金と保険、手取り分の給与の計算


外国人
Social insurance17.5%
Health insurance3.0%
Unemployment insurance1.0%
Total employer burden21.5%
Personal income tax5-35%
Social insurance8.0%
Health insurance1.5%
Unemployment insurance1.0%
Trade Union Fee2.0%
Total employee burden17.5% – 47.5%
TOTAL BURDEN39% – 69%

注意:外国人が非居住者(ベトナムに住んでいない)である場合、均一税率20%となります。

次に、計算の例を示しています。

総給与額が1,000米ドルの外国人の場合、雇用主の総支払額は1,065米ドルになり、手取り額は911米ドルになります。

外国人のための社会保険および政令143/2018

政令143/2018は2018年12月から施行されており、雇用主は外国人従業員を社会保険に加入することが義務づけられました。そのため、2022年1月から、現地従業員と外国人従業員の保険率が同額となります。 社会保険の支払いにより、外国人はベトナムで退職した後、またはベトナムを出国する際に一度だけ年金を受け取ることができます。

ベトナムでの採用の成功

ベトナムでの現地人および外国人の雇用に関する詳細については、人材紹介会社に相談することが良いと思います。ベトナムにある有名な日系人材紹介会社を3つ紹介しておきますので、参考になさってください。

キャリアリンクベトナム

ベトナムで最も古い日系人材紹介会社の一つとして数えられ、ハノイ・ホーチミン・ダナンにオフィスがあります。ハノイ・ホーチミンには日本人が常駐しているので、直接会社へ訪問してお話を伺うことが出来ます。

ウェブサイト:https://kyujin.careerlink.asia/vietnam

オフィス:ハノイ、ホーチミン、ダナン

サービス:人材紹介サービス、ベトナム人向け求人情報サイト『CareerLink.VN』

JACリクルートメント

日本では外資系人材紹介会社のような存在ですが、ベトナムでは常駐日本人スタッフが居られ、日系人材紹介会社と遜色のないサービスを受けられることから、日系企業や日本人求職者から上記2つと同様にかなりの知名度があります。

ウェブサイト:https://www.jac-recruitment.vn/ja

オフィス:ハノイ、ホーチミン

サービス:人材紹介サービス